みなさま、お疲れ様です!

いつも大変お世話になっております。

昨日は中秋の名月でした。

日本列島の多くであいにくの曇り空、お住まいの地域では見ることができましたでしょうか?

さて、話は変わりますが、

先に予備自衛官制度公式フェイスブックより、私が所属する48連隊2中隊の紹介をさせていただきましたが、今回はその2中隊所属の優秀隊員である若手陸曹のYさん(←画像左 とてもイケメンです)のフェイスブック記事につきまして、大変感銘をうけましたので、本人の許可の下、ご紹介させていただきます。

以下、YさんのFacebookの投稿
· 10月4日 6:04·

日本の自衛隊は超凄いって知ってる?もし戦ったら強すぎて世界がドン引きするかもしれないそうだ

これは個人の意見だが

自衛官は他国と戦いたい訳ではない
日本を守りたいから志願し、受験し自衛官になるのだと私は思う
だからプライドもあるし助け合う
辛い訓練にも耐える
そこに困っている、助けを求めているならば人種を問わないで手を差し伸べる

武士道は今も伝統として引き継がれている
本当の武器は心だと思う

昔、一緒に訓練をした米軍兵士と飲んだ席で
『自衛隊なんて、実戦も知らない平和ボケした奴らだと思ってた。
でも今回のミッションをしてみて、自分の考えを改めたよ。
休む事もしないでひたすらミッションに取り組むなんて、どれだけハートがタフなんだよ!あれが”義”ってやつ?あそこまで真面目にミッションをこなしてる奴らなら自衛隊は信頼に値する。
絶対に俺はお前達の敵にはなりたくないね!

でもなY‼︎お前は俺よりダンスが下手だ、そこは俺には勝てない‼︎だけど飲みっぷりがいい。
酒の強い奴も自衛隊には多いから更に信用出来る‼︎

この会話未だに忘れない

※同時翻訳をして貰っていたのでその方の解釈も入っているかもしれないが素晴らしい時間を共有した。

以上

一読して、大変素晴らしいと思いました。さすが我が中隊の優秀隊員!

我が国の自衛隊の定員は陸海空あわせて約23万人、近隣諸外国と比較して非常に少ないのですが、彼のごとく志の立派な隊員も現役・予備問わずたくさんいらっしゃいます。

>自衛官は他国と戦いたい訳ではない
日本を守りたいから志願し、受験し自衛官になるのだと私は思う

この点、非常に共感できます。戦争したがっている隊員ももしかしたらどこかにいるのかもしれませんが、そのような人の話はついぞ聞いたことがありません。

多くの自衛官の方が同じような気持ちなのではないでしょうか?

>武士道は今も伝統として引き継がれている

日本に彼らのごとくサムライがいる限り、我が自衛隊の戦力も他国に決して引けをとらないと思いました。

>本当の武器は心だと思う

かの諸葛孔明も「どれだけ戦法・兵器が進化したとしても戦はしょせん人が行うものであるから、その心が重要である」と仰せです。

私もいざという時には、もののお役に立てますよう平素より体力を錬成し、各分野の知識・技能を磨き、微力を尽くしていきたいと考えています。

以上、Yさんの素晴らしい投稿の紹介でした!

 

話は変わりますが、

極東では12月危機があるなどとささやかれており、四周の情勢は緊迫度を増してきております。

政界では、公示前ですが事実上衆議院選挙に突入しており、安全保障政策もその争点のようです。

国民一人一人が、国防とはいかにあるべきか、今一度考え直さなければならない重大な局面となっているのかもしれません。

「国防いかにあるべきか?」

大変重い命題ですが、以前にも紹介させていただきましたが、大正末期の内閣総理大臣加藤友三郎海軍大将の国防思想に「国防は軍人の専有物にあらず」というものがあります。

加藤大将の国防論

「国防は軍人の専有物にあらず。戦争もまた軍人にてなし得べきものにあらず。……中略、国防は国力に相応ずる武力を備うると同時に、国力を涵養し、一方外交手段により戦争を避くることが、目下の時勢において国防の本義なりと信ず。」

この思想の系譜は山本権兵衛海軍大将から受け継がれているもののようです。

以前読んだ阿川弘之氏の著作「日本海軍に捧ぐ」(PHP文庫)の中で、非常に感銘を受けた一節がありましたので紹介します。

大分県出身の広瀬海軍少尉(かの有名な日露戦争の軍神広瀬武夫少佐のこと)と滝廉太郎の会話

   

  軍神広瀬少佐      滝廉太郎

広瀬:「滝君、君は近眼だから兵学校に入れないのは残念だが、別の分野でお国を興す立派な人にならなくちゃいかんよ。将来どうゆう分野に進もうと思っているのかね?」

滝:「僕は東京上野の音楽学校を受けてみるつもりです」

広瀬:「音楽学校?男が音楽学校に行って何をするんだ?」

滝:「父も広瀬さんと同じ考えで、僕が音楽学校へ行くことに反対しています。しかし、支那では礼楽といって、音楽が国を治める手段として大変重視されているそうじゃありませんか。今みなが歌っている唱歌は、「夕空晴れて」でも「蛍の光」でもすべて西洋から来た曲です。僕は音楽学校に入って作曲の勉強をし、日本人である自分の手で、日本の美しさをあらわしたいい唱歌を作ってみたいのです。日本の国を興すのには、軍人や政治家ばかりでなく、百姓や商人も、立派な職人も音楽家もみな必要なんじゃないでしょうか?」

広瀬:「日本の唱歌といって、例えばどんなものを?」

滝:「例えば、僕の好きなこの岡城址を唱歌の曲にするんです。「古城」というような題で、誰にでも親しまれる日本人らしいきれいな歌ができたらどんなにすばらしいだろうと僕は思います」

故郷武田の岡城址が人々に愛される歌曲になるとすれば、これは広瀬にとって我が意を得る話であった。自分が今まで考えもしなかったことをいう奴だ思ったが、そうゆうことなら好きな道に進むのもよかろうと、広瀬は少年を励ました・・・

それから幾年かが経ち、今度は兵学校同期生財部大尉(後年海軍大臣となる)の縁談について、思うところがあり時の海軍軍務局長山本権兵衛に直談判にいった折の会話

山本:「広瀬大尉は今どんな勉強をしているか?」

広瀬:「日本はいつかロシヤと戦争をしなくてはならん時が来ると思い、その時にお役に立てるようロシヤ後の勉強をしております」

山本:「ホウ。ロシヤ語をな」

山本:「時に広瀬。海軍軍人としてもっとも心していなくてはならぬものとは何か?」

広瀬:「それは忠義の心、勇猛なる見敵必戦の精神であると思います」

山本:「その通りだ。ただし、一口に忠義といってもいろんな忠義の尽くし方がある。戦うことが忠義の場合もあるし、海軍を預かるものとして場合によっては良く隠忍し、大勇猛心をもって戦わぬ決意をすることが、国に対して忠節を尽くす所以であることもある。お前はフリート・イン・ビーイングの言葉を知っておるか?」

広瀬:「存じません」

山本:「世間にはよく、国運を賭してロシヤを撃たねばならぬなどという議論をするものがあるし、東亜における列国の勢力争いの実情を直視すれば、お前の言う通りいずれ日本はロシヤと干戈を交えなければならぬ時がくるかも知れぬ。しかし、ロシヤは我が国とは比較にならぬ大国で、国土も広いし国民の数も多い。日本人に大和魂があれば、彼らにもまた粘り強いスラブ魂がある。国運を賭してと人は簡単に言うが、それは国の興廃いずれかをかけることであって、場合によっては皇国が滅びるかもしれぬという、大変な覚悟を定めることでなければならぬ。無責任な猪突猛進の勇で国の興廃を賭ける気になったりされては、国民はたまったものではない」

山本:「国防という問題も、決して軍人の専有物であると思ってはならん」

「戦争するには、平たく言ってまず金が要る。それから何万もの同胞を死なせる決意がいる。軍人、政治家、実業家、学者から町の商人や百姓までが心を一つにして本当に国が守れるものだし、国を興すことができるのだ。若いお前に聞かせるのはどうかと思うが、兵はもともと凶器である。用い方を誤れば必ず己の上にも災禍をもたらす。孫氏にもある通り、戦わずして相手を屈服させるのが上の上たる策で、将来海軍の中堅たるべき者は、自己の功名心を忠義の美名でよそおってみだりに戦を好むようなことがあってはならんぞ。戦うときにはむろん非常の勇気をもって事にあたらなければならぬが、戦わずして勝つ海軍、存在すること自体が強力な意味を持っている艦隊、それがフリート・イン・ビーイングの思想だ。このことをよくわきまえた上でロシヤ語の勉強もするがよい」

広瀬は山本の説くところにある感銘を覚えたが、それが真実彼自身のものになるにはさらに数年の日時を要したように思われる。

ただ広瀬は、山本軍務局長の話が、どこかあの滝廉太郎の言い分に似ているのを面白く感じた。

以上、引用終わり。

特に感銘を受けたのは以下のくだりです。

「日本の国を興すのには、軍人や政治家ばかりでなく、百姓や商人も、立派な職人も音楽家もみな必要なんじゃないでしょうか?」

「軍人、政治家、実業家、学者から町の商人や百姓までが心を一つにして本当に国が守れるものだし、国を興すことができるのだ」

国防には軍人だけでなくあらゆる立場の人が必要であり、それぞれの持場で日々の職務に精励していくことがこの国を興していくこととなり、ひいては本当に国を守れるものとなると、このように思いました。

ですので、多忙な毎日につい自分を見失いがちとなっていますが、己の職業で自己研鑽し知識・技能を磨くことがこの国を興していくことにつながっていくと考えなおして、日々の職務に精励いたします。

以上、大変長くなりましたが最後までご清聴ありがとうございました!

今年もあとわずかですが、がんばってまいりましょう!

よろしくお願いいたします!

軍艦三笠 日露戦争当時の連合艦隊旗艦

戦後、荒れ果てた状態のまま係留されたいた三笠に心痛めたアメリカ海軍のチェスター・ニミッツ元帥は、自身の著書の印税の一部を寄付して三笠記念館設立の一助としたことはあまり知られていない。