みなさま、お疲れ様です!

昨日は秋分の日、本日より昼間の時間より夜の時間のほうが長くなってまいります。いかがお過ごしでしたか?

9月20日木曜日、本年度5回目の八ヶ岳単独登山行、今回は御小屋尾根経由阿弥陀岳に行って参りましたのでご報告します。ご興味ある方はつれづれの折にでもご覧ください。

29.9.20水曜日6:30 朝の八ヶ岳の様子

本日は天気は予報によると「晴れのち曇り」とのことですが、山の上方には雲が広がっており肌寒い朝です。登山するにはいまいちな感じがしましたが、10月11月は多忙となることが予想されていますので、行くこととしました。

阿弥陀岳は本年2回目、前回は美濃戸から南沢経由行者小屋、中岳のコル~阿弥陀岳という定番のコースで登りました。

今回は、ややマイナーなコースである「御小屋尾根」コースで行こうと思いました。このコースは、美濃戸口~美濃戸別荘地~御小屋山~尾根伝いに進むというものです。(地図上の阿弥陀岳の左側から伸びている破線が御小屋尾根です)

事前の情報によりますと尾根伝いに進みますので眺望が大変すばらしいとのことです。また頂上直下にやや高度感ある核心部がありなかなかスリルがあるとのことですので、この機会に登ってみようと思いました。

①7:00~美濃戸 御小屋尾根入口へ

②10:00~御小屋尾根山頂(標高2136m)

③10:30~不動清水

④11:30~阿弥陀岳

⑤12:00~下山開始

⑥15:20~美濃戸着

初の御小屋尾根から阿弥陀岳登り

登ること約2時間、御小屋山山頂。ちょっとした広場になっている。

眺望はないので特に楽しいということもない。

御小屋山山頂で5分ほど休憩したのち、尾根伝い阿弥陀岳山頂を目指す。岩だらけの南沢と比べてとても歩きやすい道です。足取りも軽い。

徐々に眺望が開けてきた!奥に南アルプスが見える!

左の尖がった山は、日本第二位の標高を誇る北岳(標高3,193m)

中央の山は、白く美しい山容を誇る甲斐駒ヶ岳(標高2,967m)

右のなだらかな山容は、南アルプスの女王と呼ばれる仙丈ケ岳(標高3,033m)

いずれも美しい山々です。野球に例えると、3番4番5番のクリーンナップの山々であり、私の中のイメージは3番セカンド落合博満、4番センター秋山幸二、5番ライト金本知憲、といったところです。

茅野市からだと北岳は甲斐駒ヶ岳に遮られて見ることができないので、見られたことは、とてもうれしくテンションも上がってまいります。

八ヶ岳の次は、甲斐駒、北岳、仙丈ケ岳に行くつもりです。

北アはその後に攻めようかと・・・ 槍穂は是非とも!

まあ、冬山はやらないので来年になるかと思います・・・

御小屋山山頂から不動清水までの間↓

ところでみなさん、これ、なんだかご存知ですか?

地元の方なら説明不要ですが、都会の方向けに少し解説します。

これは「塚」と言いまして境界を主張するために設置されたものです。

八ヶ岳の山々には国有地または私有地は別として、それ以外の土地には地元の村の入会権?(若しくは所有権)が設定されており共有財産となっています。

それがいつから設定されているのかはわかりませんが、もしかしたら江戸時代とかそのくらい昔からかもしれません。

その境界はおそらく登記されていないため(地縁による団体は以前は法人格なき社団として扱われていたので所有権登記をすることができなかった・・・)、毎年一度、塚改め(地区名・年月日を記した赤く塗られた木の札を境界にさす)を行い、また自分の地区の縄張りを主張(対抗)し、時効消滅を防いでいる、このような趣旨から行われていると思われます。

なぜそれを行うのか説明してもらったことはないので、間違っていたら誰か指摘してください。

各地区では、「山林委員会」を設け、地区によって相違はあるかと思いますが、例えば、3年任期6名のチーム×3班(茅野市泉野槻木区の場合)で山を巡回し、境界となるポイント(塚)に毎年札を立てるという作業を行っています。

この山林委員会は区民であれば年齢順に任命されることになりますが、山登りをするため原則50歳以下の方が任命されるのようです(地区による)。

私も平成22年から24年までの3年間、地区の山林委員をおつとめしました。4月から11月まで、日曜日に月一回程度山を歩き回り塚改めをしました。

御小屋尾根では、入り口から阿弥陀岳山頂まで塚改めがありますのでこれに従って登山していれば道迷いすることはほぼないと思います。

阿弥陀岳山頂まで塚があるのにはびっくりしました。中道・小屋場、菊沢?四区?の山林委員の皆様は本当にご苦労様です。

道中に、木や石に赤いペンキで矢印(→ や ←)がマークされている箇所が散見されますが、これは登山道の順路を示したものではなく塚の場所はこの方向という意味です。ですのでこれは無視してください。気にせず本来の登山道を前進してください。

閑話休題、本題に戻ります。

不動清水から歩くこと数十分、森林限界を超えて今まで通ってきた道を振り返ると、

諏訪の平をほしいままに一望できる素晴らしい眺め!

あ!っと驚くような感動がありました。

八ヶ岳の登山道の中で南沢や北沢では道中このような素晴らしい眺望は見られません。これだけで御小屋尾根を登ってよかったと思えました。

少しでも雰囲気がわかるようパノラマ写真です。

実際にはこの数10倍素晴らしい景色でした!

これが噂のアルミ三脚!どなたかが整備してくださるからこその安全な登山道です、感謝感謝!

ようやく目指す頂上が見えて参りました。ただ、その前方に不気味な絶壁が!もしかしてあれを乗り越えなければならないのか・・・

御小屋尾根、中央陵分岐到着。もはや360度遮るものはなく景色は最高だが、この日は風が強く少しおっかない感じがします。

絶壁をよじ登るとこの鎖をつたい垂直のはしごを下降する。ここはさすがに高度感あってやや恐怖だった。高所恐怖症の人にはちと厳しい箇所だと思う・・・

このはしごを下降する。横岳の難所よりずっとスリルがあります。

↑この絶壁を乗り越えてきました。おそロシア・・・

 

登ること約4時間、ようやく頂上に到着しました。登りきった時の感動は登山する人にしか味わえないものです。

横岳~赤岳~権現岳方面をパノラマ撮影

頂上には私のほか、一人しか登山者はいませんでした。阿弥陀様に何度もお祈りする敬虔なお姿が印象的で、お人柄がうかがえる、そんな気持ちがいたしました。

さて、恒例の昼食、そろそろカップラーメンも飽きてきたな、次からは違うものにしようと思います。

昼食後、写真を撮る。赤岳権現キレット、手前の稜線が阿弥陀南陵と言われるバリエーションルート。上から見ると美しい線を描いています。なんだかとっても魅力的。

見れば見るほど魅力的に見えてきた阿弥陀岳南陵ルート。通称「青ナギ」と呼ばれる岩がむき出しになった箇所もよく見ることができました。

次はここ通ろうとひそかに決意しました。

ただしこの道は一般道ではないので、危険な箇所があるそうです。

特にP360mルンゼと呼ばれる個所は滑落したらただじゃすまないとのことで、渡航の是非につき、慎重に検討したいと思います・・・(海外安全情報 外務省発)

冬山ですが、おととしの冬でしたか、学習院大学登山部の主将と女子学生がお亡くなりになったのもこの箇所です。ご冥福をお祈りいたします。

登山には必ず危険がつきまといます。自己の技量と経験を勘案しながら、いついかなる時も安全第一でまいりたいと思っています。

さて、ご飯も食べたし、景色も堪能したし、この日は御小屋尾根ルートの体験が主目的でしたので、このままピストンで下山することとします。

帰り道はいつもほとんど写真を撮らないのですが、以下ダイジェストでご覧ください。

登山した帰りはいつも思うのだが、高度を少しづつ下げていくのはとてもさみしい感じがする・・・

後ろ髪惹かれるし未練も残すけど、下山しないわけにもいかないので、さみしさを胸に刻みながら少しづつ足を前に進めていく・・・

登山は登りより下りのほうが事故が多いと言われていますので、気を抜かないように下山することとします。(実際、このルートの帰りはスリップしやすい箇所が多く細心の注意が必要です)

15:25 美濃戸口到着 無事帰ってくることができました。

まとめ

  • この日は終始強風が吹き荒れて少し怖い登山となりましたが、それもまた山の表情を表すものです。今回も登ってよかったと思いました。
  • 御小屋尾根は眺望がすばらしく、また歩きやすいのでお勧めです。ただし、山頂直前にやや高度感のある核心部があるので高所恐怖症の方には少しきついかもしれません。
  • 阿弥陀岳山頂から見る南陵、とても魅力的に見えました。渡航の可否につき慎重に検討したいと思います。

なおこの日は皇太子殿下浩宮さまが八ヶ岳登山の為、茅野入りをされたとのことで、警察が主要幹線道路にたくさん出ていました。

翌日21日天狗岳に登山されたとのことで、この日は天気も晴れ渡り、また風もなく絶好の登山日和だったのではと思いました。

9月21日木曜日、八ヶ岳の様子、晴れ渡り美しいですね。

以上、まとまりませんが2回連続して登山の報告をいたしました。ご清聴ありがとうございました。